仙台高等裁判所秋田支部 昭和27年(う)114号 判決
論旨は貸金業等の取締に関する法律第二条第一項にいわゆる金銭の貸借の媒介を業として行うものとは同法の適用を受ける貸金業者のなす貸借の媒介を業としてなすことを指称するものであるから、本件の場合のように貸主たる弘前無尽株式会社が同法の適用を受けない以上、同会社の貸借の媒介をなした被告人の行為も当然同法の適用を受ける理由がないというのである。
しかしながら、同法第二条、第三条、第四条、第五条などの規定をみるに、金銭の貸借の媒介をする行為を業としてなす者を金銭の貸付を業としてなす者と同様に貸金業者として取締の対象としていることが明白であつて、同法の規定を詳しく調べてもこの金銭の貸借の媒介を同法の適用を受ける貸金業者のなす貸借の媒介に限定した趣旨のみるべきものはない。而してこのことは、悪質な金銭貸借の媒介者は悪質な金銭貸付者と等しく金融の健全な発達を阻害し資金の不足に苦しんでいる者の窮迫に乗じ不当に多額の金品を強要するなどの弊害を惹起しやすいことにかんがみるとまことに妥当な法律的措置であるから、同法にいわゆる金銭の貸借の媒介を業として行う者には、貸主が同法の適用をうける貸金業者である場合を含むのは勿論貸主が同法の適用をうけない者である場合も包含するものと解釈すべきである。